海の底。

 

 

 

ようこそ、宇宙喫茶 くらげやへ。

 

 

 

 

 

 

まだまだ、冷たい雨ですねぇ。

ずうっと薄暗いと、一日中眠くて困ります。

 

私は、明るい時間は照明をつけないで

窓からの明かりで生活するのが好きなのです。

 

 

なので、薄暗い日は

薄暗い部屋の中で、テーブルランプだけが、

煌々と机の一角を照らしています。

 

 

何だか不気味かもしれませんが、

明るすぎるのは、苦手でして。

 

流石に晴耕雨読、とはいきませんが

せっかくですから、毎日毎日の在りように合わせて

漂うように生活したいと思うのです。

 

それこそ、クラゲのように、ね。

 

 

 

 

 

 

クラゲとは、何とも妙な生き物ですよね。

 

名前をもらっておきながら、実は私は

そんなに詳しくはありません。

 

 

刺されると大変だとか、盆を過ぎると

やけに多くなるだとか

 

そんな一般的なことを、何となく知っているだけです。

 

 

ああ、そうだ。

 

ベニクラゲ、というクラゲは、1番不老不死に近い生き物だと

何かで見たような気がします。

 

 

細胞が何やら、テロメアがどうやら、何やら

 

死から逃れられない私たち生き物にとって、

不老不死はいつの時代も魅力的なのでしょうか。

 

古くは始皇帝の時代から、研究意欲は尽きないようですね。

 

 

 

特に女性は、不死はともかくとしても、ずっと美しくいたい、

という願いは、お持ちの方も多いでしょう。

 

 

 

 

知への欲、といえば

生き物としては当然でしょうが、人間はとりわけそれが強いようですね。

 

 

 

 

しかし、クラゲの話にも戻りますが

 

地球のほとんどを占める海のことさえ、

私たちは全然知らないのですよね。

 

 

深海には、本当に不老不死があるのかもしれません。

 

 

 

 

実際のことはともかく、

深海には、一体何があるんだろうか。

途方もなく長い時間を生きている、妙な生き物がいたりするのだろうか。

真っ暗で冷たい海の底で、彼らは何を思い、何をして生きているのだろうか。

 

 

などと、延々と想像するのは楽しいことですね。

 

 

 

 

何でもすぐに調べられてしまう現代だからこそ、

 

あえてそれをしないで、なるがままに任せて

空想を広げるのが、私は好きですよ。

 

 

 

何でも簡単にわかってしまっては、面白くありません。

 

 

それに、些細なことは

調べたところで、きっと翌日には忘れてしまいます。

 

それよりは

自然と自分の中から湧き起こってくる想像の方が

ずっと面白いものだと思うのです。

 

 

 

もちろん、学ぶこと、調べることは大切ですが、

 

知識、というのは、使ってこそ。

 

知っているだけで心豊かに生きられるものもありはしますが、

 

それは知識そのものというより、受け手側の問題のような気がします。

 

 

 

人は忘れる生き物ですから、覚える、という行為は

一旦で終わりではなく、繰り返し意識の層に浮かんで、繰り返してこそです。

 

 

その知識を深め、研究するならともかく、

現代では好奇心の吟味も必要なのかもしれません。

 

 

知っているような気になっていることや

調べてすぐ忘れてしまうことより

 

 

 

それが本当かどうかは別としても、

考え、想像する力を知恵と呼ぶのではないか、と

私は思います。

 

 

 

 

クラゲや深海の話から随分説教がましくなってしまいましたね

これは失礼を。

 

 

 

しかし、想像、空想というのは

人間の力です。

 

 

 

 

なんにも知らないつもりで、まっさらな状態で、

そのものに触れる。

 

 

空想、想像は自由です。

 

 

 

 

全部忘れて、自分の世界に潜っていく。

空想の中を泳ぐ。

 

 

 

そんな時間は、豊かだなぁ、と思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

それでは、またのお越しを。